お金はいつも正しい

先日収監されたホリエモンこと堀江貴文さんの「お金」についての著書である。

ホリエモンは、ライブドアの社長時代に、「稼ぐが勝ち」「100億稼ぐシリーズ」(特にそう言われているかは知らないので、そうボクが記載しているだけだが)に見られる、お金へのタブーというか、非常に挑発的なタイトルの書籍を出しているのだが、近年は「拝金」「君がオヤジになる前に」など、著作活動が活発だ。。

ホリエモンは、「拝金」「新・資本論」に於いて、自身のマネーへの考え方をある程度提示しているのだが、今回はその内容を具体的に少し深く踏み込んだと言う感じの著作だと言える。

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ホリエモン文章と漫画で読ませる「黄金の羽根の拾い方」

日本版「金持ち父さん」とも言われた、橘玲氏の2002年の著作である「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の、ホリエモン版という感じである。内容を簡潔に纏めるとこんな感じとなる。

1.「人的資本≒信用」に注力するのが最も重要
2.起業することで節税・公的援助効果を最大限に得る
3.人生の大きな買い物・消費を無意識に行わない

要約すると以上の3点となり、記載内容に於いては、10年以上前の橘玲氏の著書とあまり変わらない。情報弱者を煽る展開に関しても、橘玲氏も2002年のワールドカップのチケット購入のことを具体例に挙げているので、書籍の展開の仕方もとても似ているのだ。

橘玲氏が、後の著作で黄金の羽根の拾い方の内容をそれぞれ現代的に展開・咀嚼した書籍を出した後に(人生設計・株式投資・起業・行動経済学&行動心理学)、「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」とリバタリアン的立場を示しているのに対し、堀江氏に関しては、氏の文体などの影響から、どちらかというとこの著作は、ビジネス書というよりは、芸能人本・エッセイ本の側面性が強いと思う。逆に言うと、この著作はそれぞれの事象に関して堀江氏的な結論を提示してはある(これは氏の著作全般に言えることだが)。これは逆に言えば、「最適な解」ではなく、「堀江さん的にはこれが正しい」という提言である。

なので、ライフプランやマネーリテラシーに関しての導入本としては、些か偏り気味なのは仕方が無いとは思うが、堀江氏著作は、氏自身のセルフブランディング本としての側面が強い本が多いし、購入者も其のつもりで買われてる方が多いので、その側面に関しては特に問題はないように思う。

前作の「新・資本論」と比べると、具体性があり、堀江氏なりの結論を出している事に加え、主張が「お金=信用」と一貫しているせいか、読後感の良さと読みやすさはかなりのものだと思う。原題の若年者をかなり意識しているのか、漫画による話の展開は、やはりとても読みやすい。堀江氏のエッセイ(セルフブランディング本)としては、知識も増えてとてもお得な感じになれると思う。



もしこの本を見てお金に関して興味を持ったのなら、やはりタイトルの元ネタである、「「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計」は見て欲しいと思います。


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