去る2011年4月17日、SODこと「THE STREET OF DREAM」に店舗出展させてもらいました。来場者は予想を上回る3,000人ほど集まったらしく、出店者など全ての人が予想以上のお客さんにてんてこ舞いでした。

 ボクが手伝ったレモネードカフェは、この手のイベントにはよく参加するらしいのですが、こと売り上げとなるとあまり良くなく、現に、和歌山市での二番目ぐらいに大きなお祭りに育ってきた、8月のよさこい祭りでも、大損だったお店です。

 そこで、ある程度の信頼関係が出来た事もあり、思い切ってお店の出店商材を見直すように提案しました。

 お店としても、昨年9月に大きな転機を迎えたこともあり、立て直しを測る為にも、自身が色々お手伝いをしています。そんな中、今回に関してはボクの提案がある程度(全てではない)受け入れられたこともあって、大きな売上をあげられたので、そのメモを残します。

 イベントの詳細などお店再建の過程に関しては、またおいおいレポートなどでまとめる予定です。なんせ、まだ再建の途中なので、従業員用マニュアル作りとか、色々途中ですが、自分の施策が売上に徐々に結びついてきており、「お店も久々に潤いました」と言われ、週末コンサルタントとしても実績が残せてきています。


その商材は「釜玉うどん」

 ではその商材とは何かというと、ズバリ「釜玉うどん」です。

釜玉うどん

 今回の4月17日のイベントで100食を1時間ほどで完売した訳ですが、実はボクが過去関わった大阪のとある野外イベントのお店では、なんと10万円以上の売り上げを挙げた実績のある商材です。

 正直、ここに書くと真似されますが仕方有りません。正直な所、情報商材とかにしてウン万円とかで売っても行けそうな感じはするのですが、辞めておきます。

 ちなみに、当日はボクがうどんを茹でてました。ここも案外重要な気がしないでもないですが、取り敢えず今回に関しては、何故「野外イベントで釜玉うどんなのか?」を記載します。

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1.調理に手間がかからない

 1つ目は、釜玉うどんは作るのが簡単であるという事です。これが一番重要なファクターです。

 作り方は、「茹でたうどんに卵と醤油をかけ、後はお好みでかつおぶしやショウガやネギ等を入れる」というもの。

 調理に手間がかからないというのは、イベント会場などスピードを求められる場所においては非常に重要です。というか、手間のかかる物を売るべきではないのです。祭りやイベント会場定番の食材である「焼きソバ」「たこ焼き」ですが、簡単に作れる食品ではありますが、実は意外に手間がかかる部分もあり、後述の弱点を持っています。


2.作り置きではなく、常に出来たてを渡せる

 2つ目は、釜玉うどんは作りおきではなく、常に出来たてを渡せる点です。

 作りおきを渡されるのは、受け取る側としては嫌なものです。ですが、釜玉うどんはうどんを茹でる必要があるので、作りおきをしたら伸びてしまいます。ですので、必然的に作りおきは出来ませんが、茹でる時間は然程長くはありません。一方、屋台の定番である「焼きソバ」「たこ焼き」は、作成に意外に時間がかかるので、ラッシュ等繁盛時間を見越して、ある程度の作りおきは必須です。

 そもそも、冷めた釜玉うどんは美味しくないのです。そして、非常に重要なことですが、他のお客様は、そのお店が作り置きを渡しているかどうか?をキチンと見ています。誰だって出来たてが欲しいですし、誰だって貧乏くじは引きたく有りません。

 というか、作りおきを渡すという行為は、如何にお祭りなどのイベント場と言えども、お客様にお店の貧乏くじを意図的に引かせるという背信行為であることを、肝に免じて欲しいと思います。イカサマをするお店は、何時か淘汰されます。


3.味にバラつきがない

 これは屋台の定番が焼きソバなのと代わりがありません。「焼きソバは、誰が作ったとしても、味も作り方もあまり変わらない」から、屋台の定番料理なのです。無論、焼きソバは広い鉄板さえあれば良いという利点もありますが、材料が同じなら手順もほぼ同じなので、安定した味が出せます。嫁の作った焼きソバも、おかんの作った焼きソバも、あなたの作った焼きソバも、大して味に違いはありません。

 釜玉うどんは、茹でたうどんに卵を入れ、ネギなど少々トッピングだけしてお渡しします。醤油はお客様が好きなだけかけるようにして売っていますし、そもそも、味を変えようがないのです。

 とにかく、味にバラつきがないと言うのは重要な要素なのです。お店の開店当時・ピークタイム、そして夕方間際のそれぞれで、うどんの味が違っていたら、おかしいと思いませんか?


4.茹でている姿を見せる事で、調理の間はお客様に待ってもらえる(調理時間が短い)

 4つ目は、釜玉うどんは調理の間、お客様に待ってもらえる点です。

 理由2&3と被っていますが、麺類が作りおき出来ないのはお客様も分かっている上に、茹でている姿をお客様にお見せできます。というか、冷めた釜玉うどんは美味し(ry。

 うどんの水切りは割と絵になるのもメリットの一つと言えます。これは焼きソバと同じですね。作っている姿を見ると、お客様はとても安心してくれます。特に、茹でた麺を容器に入れる所が眼に入るので、目で料理を楽しんでもらえる気がしないでもありません。実際は、鍋の大きさにもよるのですが、1回の調理は1~2分ほどですので、然程お待たせする事が少ないというのも大きな利点です。

 鍋の大きさにもよるのですが、1回の調理は1~2分ほどですし、1つ1つ茹でて調理していることはお客様の目にも明らかです。その影響か、お待ちしているお客様から苦情が余り無いのです。この手のイベントでは、「いつまで待たせるんや」という苦情もまったく無いとは言えないのですが、今回の日曜のイベントに於いては、売り切れ時に悪態をつかれた程度でした。

 良いものを提供する事は、我々商売人においては必須の事項です。ですが、良い物を提供する為に、過度にお客様をお待たせすることは、やはり顧客への背信行為です。それが許されるのは、エロゲーの会社やゲーム会社や一部のクリエイターや漫画家だけです。そもそも、スピードを求められるイベント会場に於いてあまりに待たせるのは駄目なのです。


5.原価が安く、材料の調達が容易

 5つ目の大きな理由は、コストの問題です。釜玉うどんは材料自体の原価が安い上、調達もとても簡単です。

 粉物系の原価が安いのは、お店を運営したことがあったりすればご存知でしょうが、かなり安いのです。小麦粉を加工する料金が高いのです。うどんに関しては、和歌山市・2011年4月20日に調査した値段ですが、冷凍うどんが5つ税込210円、生麺だったら3つ100円程度で買えます。業務スーパーでしたら、1玉15円で買えるのです。非常にお安いです。

 その他のお値段ですが、同じく和歌山市・2011年4月20日に調査した値段ですが、卵がMサイズ10個入り1パック218円なので1個あたり21.8円。かつおぶしは大きな袋入りが298円。ネギは1束98円。ショウガはチューブ入りの物なら98円、醤油は1L248円。ネギを刻んだりするのに手間はかかりますが、材料自体は安く調達できます。

 容器に関しては、麺類用の器が50個入りで598円なので、1個約12円。割り箸は100円ショップで100本入りが売っていますので、1本1円とこれはタダ同然。合計原価は、卵+うどんを70~80円と仮定しても、器代も含めて1杯当たり100円前後です。仕入で上手く立ち回れば、100円で売っても儲かるのです。

 その他に重要なのは、原価の安さもありますが、やはり、調達がしやすいという事です。野外イベントとなれば、天気が大きく絡んできます。となると、雨の日だと事前に材料を大量に用意すると大損をしてしまいますが、釜玉うどんは材料の調達が容易なので、当日でもある程度の数は集められますし、品切れに対しての補充も容易です。

 この手のイベント商売の場合、原価の安さに目が行きがちですが、本当に大切なのは材料の調達のしやすさなのです。どれほど安くても、簡単に手に入らないものは、人の流れや天気など、不安定なファクターの多い野外イベントにおいては対応しにくいのです。タコのないタコ焼きは、タコ焼きとして売れませんが、タコは然程簡単に手に入るシロモノではないのです。


同じレシピの卵かけご飯は売れない ココがポイント

 釜玉うどんは、ようは、卵かけご飯ならぬ卵かけうどんです。ですが、作成の手間・コスト・販売力は、卵かけご飯を遙かに凌ぎます。

 過去に実際に売ったことがありますが、イベント会場で卵かけご飯は売れませんでした。本当に売れませんでした。卵が余りました。だけど、ほぼ同じレシピの卵かけうどんは売れるのです。卵かけご飯関係で売れるのは、家庭で使う専用の醤油だけです。外食での卵かけご飯は余程のショップ力がない限りは売れませんし、メニューに卵かけご飯を入れていても、大して注文はないでしょう。


でもうどんならば売れるって訳でもないのですが、それはまた別の機会に

 もちろん、当日の価格設定や、天候及び季節の加減によって、売れ行きは大きく左右されますが、季節を問わずある程度販売の見込みがあるのです。

 ちなみに、夏場は(冷やし)ぶっかけうどんにも出来ますが、この場合は手間もかかるし、何より、冷やすための場所が必要になるのでお勧めしません。やればわかりますが、うどんを茹でる釜はある程度は大きくなければならず、どうしても場所を取ります。一人で野外店舗の処理をするなら尚更です。

 とは言え、これはそれなりに有用な商材です。ですが、余り売られてませんし、知られてません。ボクの持っている売り上げアップなノウハウの一つです(というか飯の種です)。

 祭りやイベント会場での定番の食材として君臨してきた「焼きソバ」「たこ焼き」ですが、案外制作手間がかかる上に、作り置きを渡す影響など、意外に弱点を持っています。ですので,文化祭とか学園祭で出すものがないと言う時は、試してみる事をオススメします。汁物の麺類よりも手間もかかりませんし、なによりゴミも少なくて良いです。片付ける手間も然程有りません。

 ちなみに、当日はボクがうどんを茹でてました。実際に現場に立たないと売れ行きはわかりませんから。詳しい話が聞きたい方は、ボクにコンタクトを取って下さるとありがたいです。エラソーですいません。

 あと、サイフがピンチな時のボクの定番料理でもあります。考えてみてください、我々が買い溜めた冷凍うどんの量を。ジオンはあと10年は戦える。フフフフフッ


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