
という訳で、Amazonに投稿したレビューと内容はほぼ同じですが。
【本の章構成】
※各章の前に導入漫画がある(死神と主人公オタクとのお話)
第1章 ヤバいデータ満載のPCや携帯電話はどうする?
第2章 遺されたコレクションはどう処分すればいい
第3章 オタクらしい遺言書を作成しよう
150P前後とページはやや少なめですが、扱っているテーマを完全に絞っている上に、
各分野の専門家へのインタビューなど、かなり取材が徹底しています。
この手のオタク向けの薄めの本は、殆どが知識の羅列のみなのですが、
ちゃんと各所に取材している点が評価できます。
取材先は、オタクが死んだ後にそのコレクションを売りに行くであろうまんだらげの他、
著作権などの引継ぎに関しては税理士、
そしてコミックマーケットの創始者である米澤嘉博さんの奥さんなど、
なかなか徹底しているのです。
近年出版されているオタクの性生活充実本ような、
自身の体験談とか想像談のみで構成されているわけではありません。
公正役場に持って行っても問題のない遺言書の書き方の他、
海外で死んだ場合の対処の他、同人作家や漫画家の著作権の話に、
税理士さんなどへのインタビューなど、オタクにとって考えうる事態がかなり網羅されています。
ちなみに、この本で言うオタクとは、アニメ・ゲームオタクのみならず、
鉄道オタクやミリタリーオタクも含まれており、ガンコレクションの法的対応などは、
自分はFPの資格を持っていますが、「なるほど」と唸らされるものでした。
遺されたコレクションの相続対策などは、オタクに限らず役立つ知識です。
近年出版されているオタクの性生活充実本と比べると、非常に実用的です。
実際に相続の作業に関わればわかりますが、この問題は非常に難しい問題で、
その事に関して一通りは学べるので非常に良い本だと思うのですが、
完全にオタクな人向けなので、普通の人が手にしにくいというのが難点でしょうか。
PCの処分やネット銀行&証券の処理などは非常に現代的です。
以降の専門的な事象は専門家や専門書に頼るべきでしょう。
孤独死をしたオタク 他人事ではない事象
最後に、この本のキモは、第3章の「孤独死をしたオタク」という4Pにわたる体験談。正直、この事は他人事ではありません。
死ぬのにも準備が必要であることをひしひしと身につまされるのです。
相続の難しさを感じる実例です(FPの相談トラブルでもこう言う案件は多い)。
部屋の真中でカギをつけたまま死んでいたオタク。
そのオタクの死後処理を業者に任せる親族たち。
彼を手厚く葬ろうと、インタビューを受けた人が奮戦するのですが、
彼の部屋や遺品を勝手に持ち出していく人が多かったりと、
なかなか上手くいかない現実を淡々と語る様は、
非常にもの哀しく、そして虚しく感じます。
オタクの後始末をするのは、オタクでは無いのだ
ボクは彼女はいませんし出来そうもないですが、ボクを育てた親がいます。せめてその方々のために出来る事はした方がいいと思うわけです。
(オヤより先に死ぬのは良くないですが、何があるかはわかりません)
これを見て、自分の持っているものをどうするかは、皆さんが決めてください。
我々は、死神からは絶対に逃げられないのです。だから、一度は考えて見ても良いと思います。
プルルル ピッ
ああ、やっぱり今回も駄目だったよ。
アイツはレビューを見ないからな。
そうだな、次はこのレビューを見てる奴にも付き合ってもらうよ・・・
オタクの逝き方 オレのコレクション死んだらどうなる?

2010.10.13 - Amazon